猫のトリトリコモナス感染:ロニダゾールの治療効果

臨床試験1:実験的感染モデルによる有効性の検証(韓国)

猫のトリトリコモナス(Tritrichomonas foetus)の実験的感染に関する研究では、6匹の健康な子猫をランダムに治療群と対照群に分けた。感染確認後、治療群にはロニダゾール50 mg/kgを1日2回、14日間経口投与した。
結果、治療群の猫は治療期間中およびその後4週間の追跡調査期間中に寄生虫が検出されなかったが、対照群では持続的に陽性が確認された。この研究は、ロニダゾールがT. foetus感染に対して顕著な駆除効果を持つことを証明した。

臨床試験2:自然感染猫群における二重盲検対照研究(フランス)

フランスで行われた多施設、ランダム化、二重盲検臨床試験では、トリトリコモナスに自然感染した47匹の猫を2群に分けた。治療群(25匹)にはロニダゾール30 mg/kgのカプセルを1日1回、14日間連続で経口投与し、プラセボ群(22匹)には同一外観のプラセボを投与した。
治療終了時、治療群ではわずか16%の猫が陽性だったのに対し、プラセボ群では82%が持続的に寄生虫を保有しており、統計的に有意な差が認められた(P < 0.001)。研究期間中、明らかな薬物関連の副作用は観察されず、良好な耐容性が示された。

研究まとめ:最適な投薬スキームと注意事項

複数の公開研究を総合すると、猫のトリトリコモナス感染治療におけるロニダゾールの推奨スキームは以下の通りである:

  • 投与量:30~50 mg/kg
  • 投与頻度:1日1~2回
  • 治療期間:通常14日間
    一部の症例では、菌株の耐性や個体差により、治療期間の延長や二次治療が必要となる場合がある。注意点として、少数例で軽度の神経系反応(軽度の運動失調や震えなど)が観察されることがあるが、通常は可逆的であり、投薬中止後に回復する。

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ロニダゾールによる犬のジアルジア感染制御研究

ある犬舎で行われた現場研究では、13匹の犬を治療群(6匹)と対照群(7匹)に分けた。治療群の犬にはロニダゾール30~50 mg/kgを1日2回、7日間連続で経口投与し、環境清掃および洗浴処理を併用した。
治療後26日以内に、治療群の犬ではジアルジアのシストが再検出されなかったが、対照群では複数の時点で陽性が確認された。この結果は、ロニダゾールが環境管理と組み合わせることで犬舎内のジアルジア制御に有効な介入手段となることを示唆している。

結論

ロニダゾールはニトロイミダゾール系の抗原虫薬であり、小動物の臨床において、特に猫のトリトリコモナスおよび犬のジアルジア感染に対し、高い選択性と良好な治療効果を示す。安全性は高いが、使用時には動物の個体差に応じたモニタリングが必要であり、特に潜在的な神経系反応に注意すべきである。
実際の適用では、感染の種類、動物の体重、状態に応じて投与量と治療期間を個別調整し、環境管理を組み合わせることで治療成功率を高め、再発を防ぐことが推奨される。

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